苫小牧市を拠点に活動する演劇及び文化創造集団C.A.W(カウ)が今月、小学生~高校生を対象とした苫小牧児童劇団(仮称)を創設した。プロの俳優による演劇指導を受けられる児童団体は市内では初めて。11月8、9の両日、苫小牧演劇堂(錦岡)で初の公演を計画している。
第1期生は、市内在住の13~17歳の中高生5人。小学生の参加も想定していたが3月から5月までの公募で集まらなかったため、活動を続けながら入団をアピールしていく。
6~11月を第1期とし、団員はさっぽろ市民ミュージカルの創始者で主席演出家の金田一仁志氏(日本俳優連合)から演劇理論や表現法などの基礎知識を学び、ワークショップで演技力を磨く。
活動初日となった今月3日は、団員らが初顔合わせ。苫小牧演劇堂でC.A.Wのメンバーのサポートを受けながら発声練習や柔軟体操を行った後、金田一氏の演劇理論講話に耳を傾けた。
金田一氏は「普段から目に映るものや音、匂いなどに敏感になるといろいろな発見があり、感性も磨かれる」と助言。団員たちは即興演劇(インプロビゼーション)に挑戦したり、輪になって感情を伝え合う「コミュニケーションゲーム」を体験したりした。
今月中に、団員の話し合いで児童劇団の正式名称を決定。金田一氏の脚本の中から上演作品を選び、7月上旬から稽古を本格化させる。
1期生で、登別明日中等教育学校の演劇部に所属する佐藤奏さん(13)は「日ごろの会話の中で、コミュニケーション能力を磨いていく大切さに気付かされた。演劇の基礎を身に付けて表現力を高めたい」と語った。
C.A.Wの鈴木英之代表(51)は「演技で人の心を動かすのは容易ではない。表現者は専門的な基礎知識を学ぶことが重要」と強調。「1期生が表現者として成長してくれることを願っている」と述べた。
児童劇団の見学や入団に関する問い合わせは随時、受け付ける。稽古は苫小牧演劇堂で毎週火曜日午後7時~同9時に行っている。
問い合わせ先は、C.A.W事務局 携帯電話080(2867)8278。