イトウ求めて猿払遠征/最悪の条件下で小型反応

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  • 2025年6月19日
厳しい条件の猿払川でキャッチした小型のイトウ

 厳しい条件の猿払川でキャッチした小型のイトウ この時期恒例の宗谷地方・猿払川遠征に行ってきた。狙いはもちろん幻の魚とも呼ばれるイトウだ。現在、個体数保全の観点から5月31日までは釣り自粛を求められている。あくまで自粛だからと無視する心無い人もいるが、生息数が減っているイトウを守るため協力するのが釣り人の責務だと思う。

 気の遠くなるようなロングドライブを終えて猿払川に到着すると、国道に架かる富士見橋前後にはけっこうな釣り人の姿が見えた。満潮は午後4時すぎ。そのまま釣りをしたかったが、宗谷にいる友人を訪ねるために通過。宗谷岬を回って友人宅に着いた。その夜は久しぶりの再会を祝って夜遅くまで宴会が続いた。

 翌日、屋根を激しくたたく雨の音で目が覚めた。天気予報で雨が降ることは分かっていたが、これほど激しく降る予想ではない。朝食を食べながら様子を見ていたが一向に止む気配はない。取りあえず猿払に向かうことを決めて玄関を飛び出した。寒い。気温が9度しかない。ヒーターを効かせて車を走らせ再び猿払川に到着した。

 雨は幾分小降りになっていたが、風にあおられて横殴りに降っている。おまけに川も雨の影響により茶色に濁っている。もう絶望的な状況だ。釣りをやめようかと思ったが、ガソリン代をかけて片道360キロを走り、何もしないで帰るのも嫌だ。ダメもとでさおを出してみることにした。

 9・2フィート#7ロッドを取り出してタイプ2のラインをセット。キールに巻いた#2ストリーマーを結んで土手を下り川岸に立った。風は右手後方から強めに吹いていたが、左投げの記者にとっては好都合だ。バックを確保するため膝下まで立ち込んで釣りを始めた。

 こんな状況でも見える範囲に4~5人の釣り人がさおを振っていた。1時間ほど頑張ったがもちろん釣れない。心が折れてもう帰ろうとした時、ゴツンと来た魚信。ウグイだろうとラインを手繰ってくると、何かファイトの仕方が少し違う。何だろうと思いながら大きなネットですくい上げて中に入った魚を見て驚いた。ネットの底には30センチを少し超えたイトウが横たわっていた。複雑な気持ちで写真に収め釣りを終えた。

 (大中 ■(吉の士が土) 隆)

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