千歳市の支笏湖漁業協同組合(佐々木義朗組合長)は18日、地域団体商標登録「支笏湖チップ」(ヒメマス)の今季の稚魚放流を始めた。資源保護を目的に毎年続けているふ化・増殖事業で、初日は約1万8000匹の稚魚を湖に放った。
昨年10月にヒメマスふ化場(同市支笏湖温泉)近くの湖岸の定置網などで捕獲した親魚から卵を採取し、人工授精で今年1月にふ化。湖に流れ込むシリセツナイ川の水で6~7センチまで育て上げ、今年も約10日間で計18万5000匹の放流を計画している。
ふ化場内で個体識別のためのひれ切りを終えた稚魚を18日、同漁協職員が容器に移し替え、動力船に乗り込んだ。移動中もエアポンプで容器に酸素を送り、魚の負担軽減に配慮。岸から約1キロの沖合に到着すると、バケツを使って放流した。稚魚は銀色の体を一瞬光らせ、次々と水底へ泳ぎだした。
同ふ化場の山田貴志場長(49)は「今年も体が大きな稚魚を放流できそう。チップ漁は好調で、この稚魚たちも4年後に元気に戻ってきてほしい」と成長を願った。