岸田文雄首相の後継を選ぶ自民党総裁選は27日午前、党員・党友票の開票作業が始まった。午後に国会議員票の投開票を党本部で実施。石破茂元幹事長(67)と高市早苗経済安全保障担当相(63)、小泉進次郎元環境相(43)の三つどもえの争いで、1回目の投票では決着がつかず上位2人による決選投票に進むのは確実な情勢。新総裁は午後3時分ごろに選出される見通しだ。
小林鷹之前経済安保担当相(49)、林芳正官房長官(63)、上川陽子外相(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)も出馬し、候補者数は推薦人制度が導入された1972年以降で最多の9人。政治改革や経済政策などを巡り論戦が交わされた。
1回目は国会議員票と党員票の各368の計736票を争う。決選投票は国会議員票368と、党員票を各都道府県1票ずつに圧縮した計415票で行われ、過半数は208票となる。
党員票の開票は午前7時から順次開始。午後に党本部で集計し、各候補に比例配分する。関係者によると、総裁選の党員票は、北海道、茨城、富山、山梨、佐賀各県で石破氏、埼玉、石川、長崎各県で高市氏がトップだった。
決選投票を巡り、茂木氏は石破氏以外の支持に回るよう旧茂木派議員に伝えた。高市、小泉両氏の対決となった場合は自主投票とする。同派関係者が明らかにした。
国会議員の投票は午後1時に始まり、同2時20分ごろに党員票と合わせ1回目の結果が発表される。過半数を得た候補がいなければ、1回目の2位、1位の順で5分ずつ演説した上で、決選投票が行われる。
新総裁の選出後、党大会に代わる両院議員総会と役員会などが行われ、党役員と閣僚人事を一任。新総裁は午後6時から記者会見を開く。10月1日に召集される臨時国会で第102代首相に選ばれる見通し。