「ものもらい」は、まぶたにできる小さなはれ物のこと。手元の辞書にはもう一つ「他人から食べ物などをもらって生活すること、また、その人。こじき」という語釈があった。「時には要求してでも物をもらい、自宅へ持ち帰る政治家や公務員」という解釈は見えなかった。
政治や政治家の本質を考えさせられる出来事が、あまりにも多い2024年。前アメリカ大統領はライフル銃で撃たれても、肥満無自覚の自称魔女狩り被害者として復職を目指す。核使用もにおわせてウクライナ侵攻を始め2年半が過ぎたロシア大統領は、自らの首都を攻撃する無人機の能力には不快を見せる。恐怖に泣き叫ぶ非戦闘員の殺害だけは止めないイスラエル。本当に自己変革はできるのか自民党総裁選の候補。兵庫県知事の物欲ご乱行県政は、いつまで続くのか。
「ふるさとは 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」。室生屑星の詩を繰り返し読んでいたのはもう半世紀以上も前のことだ。「よしや うらぶれて異土(いど)の乞食(かたい)となるとても―」。後段を思い出し、ふるさとの遠さがつらくて、うなされて何度か目覚めたことがある。テレビに映る自信満々の政治家たちの目をじっと見て考える。自分とはどこが違うのだろう。(水)