ベテランGK 井上引退 レッドイーグルス 日中韓 5チーム在籍 アイスホッケー スポーツブロガーの顔も

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2024年3月15日
ベテランGK 井上引退 レッドイーグルス 日中韓 5チーム在籍 アイスホッケー スポーツブロガーの顔も

  アイスホッケーアジアリーグのレッドイーグルス北海道(REH)ベテランGKの井上光明(37)がシーズン終盤の今月、今季限りでの現役引退を表明した。中国を皮切りに韓国のチームでキャリアを重ね、国内でも3チームを渡り歩いた。10日に苫小牧であった、前所属先の栃木日光アイスバックス戦では残り約3分で出場し、気迫のこもった守りで追加点を許さなかった。

   試合最終盤に先発の小野田拓人を緊急リリーフし、氷に乗った。すでに3点先行だったが、その差を詰めようと日光陣営は懸命にパックを前進させ、シュートを連発。飛来するパックにどんぴしゃりで正対し、キャッチング、ブロックしてほぼ続けざまに浴びた6発のシュートをセーブした。「難しいシュートがあった。あの場面でゼロ失点を続けるか否かでは士気に大きな違いが出る」―。ゲーム後にGK出身のREH荻野順二監督は起用成功のうれしさをかみしめるように話した。

   試合後は古巣・日光から花束が贈られるなどノーサイドの光景が広がり、同チーム応援のファンからも井上に惜別の「イノウエ」コールが連呼された。

   チームには年下で主戦格の成澤優太もいて試合ベンチ入りが2枠のGKの層は厚い。「これがリーグ戦出場の最後になる可能性もあるわけだから」と井上。「与えてもらったチャンス。絶対に抑えようと思っていた」と気構えを語った。レギュラー戦残りの試合やチームが今季の覇権を懸けるプレーオフがこの先ある。「バックアップでベンチに控えるなら、どんなときでも出ていける準備はしているので」

   チームを通じた引退発表は8日。西東京市の出身。西武鉄道のジュニアクラブで頭角を現し、法政大へ進学して活躍。卒業後に入団予定だった西武プリンスラビッツがまさかの解散となったため、2009年当時のアジアリーグに加盟していた中国のチャイナドラゴンに入ってトップリーグ選手デビューした。

   翌年には韓国勢の一角だったハイワンへ移籍。その後は招きを受けて日本製紙クレインズ(―ひがし北海道クレインズ)、栃木日光アイスバックスに転じ、今季REHに入団。この間には、日本代表にもたびたび招集されてきたが、この冬に引退を決意した。「まだ、現役をやりたい気持ちはあるんですが、区切りを付けようと思って」

   アイスホッケー界を盛り上げようと、プロ選手としての思いや日常の紹介を巧みな筆致と構成の長文でつづるブログ制作や映像のネット投稿に早くから取り組んだ先駆者だった。着けている「背番号70」はREH前身の王子製紙などで活躍した名GKで子供の頃から憧れて続けた日系カナダ人のダスティー芋生(いもお)さんにあやかっている。

   先週末、重要な6分余りを守り切った”第三の男”は「芋生さんと同じく苫小牧のチームで現役のユニホームを脱ぐことになったのは光栄です。アイスホッケーをやってきて良かった」と笑顔を見せた。

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