白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は7日、町高砂町の白老アイヌ民族記念広場で第18回白老アイヌ碑先祖供養祭を行った。同協会の新井田幹夫さんが祭司を務め、会員約20人が伝統の儀礼「シンヌラッパ」で先人をしのんだ。
広場には民族衣装に身を包んだ会員や関係者約70人が集まった。山丸理事長は「これからも皆さんと共にアイヌ文化を守っていけるよう、実りあるチャランケ(話し合い)や叱咤(しった)激励を頂きながら、活動を発展させていきたい」とあいさつ。来賓の戸田安彦町長らも祝辞を述べた。
会員や関係者は伝統の作法で先人を供養し、オハウ(温かい汁物)やシト(団子)で食事をした。この後、鵡川アイヌ文化伝承保存会(新田増美会長)の会員14人が輪踊りや剣舞を行い、供養祭に花を添えた。
広場は、大正から昭和にかけて地域のアイヌ民族のために献身的な医療活動を続けた故高橋房次医師の病院跡地。近くにはかつてアイヌの子どもたちが学んだ白老第2小学校があり、民族ゆかりの地として2005年8月10日、有志らがアイヌ碑を建立した。以来毎年この時期に、同協会が先祖供養祭を行っている。