白老町と町教育委員会は2、3両日、胆振管内の小中学校教員を対象に、白老町コミュニティセンターでイオル体験交流事業「子どもたちに伝えたいアイヌ文化講座」を開いた。2日間にわたり、延べ49人が受講。アイヌ民族の古式舞踊や伝統楽器の製作と演奏などを体験し、先住民族への理解を深めた。
日本の先住民族として法的にも位置付けられたアイヌ民族の伝統文化を教員が学び、児童生徒への教育活動に生かしてもらうことを狙いとした講座。初日の2日は3講座を行った。
このうち「アイヌ民族の芸能を学ぶ―ムックリ(口琴)製作と古式舞踊体験」では、町内や苫小牧市、登別市の教員ら計7人が受講。一般社団法人白老モシリの小崎明日香さん、山本スナ子さん、中村幸子さんの3人が講師を務めた。
受講者らはまず竹を削ってムックリを製作。楽器の持ち方や口元への当て方、糸の引っ張り方、口の開け閉めによる音の変化など演奏方法も学んだ。
この後、古式舞踊を体験。全員で輪になって踊り方や歌を練習し、アイヌ民族の伝統芸能の奥深さに理解を深めた。
町内の小学校に勤める50代の男性教員は「子どもたちに指導する上で体験から学ぶ意義は大きい。先住民の精神文化も吸収し、今後の指導に生かしたい」と話していた。
3日は「アイヌ文様と民族の手仕事を学ぶ」と題して、アイヌ文様刺しゅうや木彫体験の計2講座が行われた。