むかわ町松風の静光寺が今年も境内に、詩人・宮沢賢治設計の西洋花壇「涙ぐむ眼」を整備した。マリーゴールドやサルビア、アリッサムなど色鮮やかな花で大きな「瞳」を描いており、参拝者をおもてなししている。
花壇は幅4・2メートル、奥行き2・4メートル。水谷寛斎住職(63)が部屋の資料を整理していた際、「涙ぐむ眼」の設計図を見つけたことをきっかけに、昨年から花壇整備を始めた。今年も5月上旬から仕事の合間を利用して花壇造りを行い、オレンジや黄色のマリーゴールドなどを植栽した。
同寺は2018年9月の胆振東部地震で建物の基礎がずれ、天井が抜け落ちたほか、納骨堂が倒壊するなど大きな被害に遭った。建物内の完全復旧に2年以上かかったため、手付かずだった境内は昨年春から少しずつ整備。檀家から寄贈された庭石も生かしながら、境内の景観を再生する作業を進めてきた。
水谷住職は「いつ来ても花が咲いている状態を目指し、その年ごとに改良を加えていきたい。参拝に来られた方が花を見て、穏やかな気持ちになってもらえたら、うれしいですね」と話している。