白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は9日、「第19回アイ・オロ・オ・コタン先祖供養祭」を白老町虎杖浜のポンアヨロ川河口のアヨロ海岸付近で行った。人の営みが連綿と続いてきた地で祖先を慰霊した。
アヨロ海岸の一帯は、縄文時代から人々が暮らし、英雄オキクルミなどアイヌ民族の神話も残る。同協会では毎年、この地で供養祭を行っており、今回は会員や見学者ら約40人が集まった。
民族衣装に身を包んだ関係者は、同協会の新井田幹夫さんが祭司を務める儀礼カムイノミで神に感謝の祈りをささげた。この後、イナウ(御幣)を供えた場へ移動し、フチ(おばあさん)らが中心となって伝統の作法で先祖を供養した。
アイヌ民族の先祖供養は「イチャルパ」や「イアレ」など地域によって呼び名が異なり、白老地域では古くから「シンヌラッパ」と呼ばれる。アイ・オロ・オ・コタンはアイヌ語で「そこに矢が群在する村」の意味で、地名に残るアヨロの語源とされる。