安平町の初夏の一大イベント「あびら夏!うまかまつり」(同まつり実行委員会主催)が2日、町内早来北進のときわ公園で3年ぶりに開かれた。地元ゆかりの団体やアーティストによるステージショーをはじめ、模擬店の軽食販売などが行われ、多くの町民が家族や友達同士で訪れて夏祭りを満喫した。胆振東部地震で会場が使えず、中止にしていた打ち上げ花火も4年ぶりに行われ、会場に歓声と拍手が響いた。
同まつりは、新型コロナウイルス感染拡大の時期と重なったこともあり、2年連続で中止となっていた。今回は町民の健康を第一に考えたイベントとして通常2日間の日程を1日にし、会場入り口で検温、手指消毒などの感染対策を万全にして行った。
模擬店では焼き鳥のブースの前に長蛇の列ができたほか、シューマイやカレーライス、ビール、かき氷なども人気を集めた。苫小牧市の高校に通う岡田征之丞さん(15)は「最後にうまかまつりがあった中学1年生の時も震災の影響でいつも通りではなかった。中学時代に青春みたいなものを味わえなくて悔しかったが、今回開かれてうれしい」と喜ぶ。早来中学校2年の鈴木仁さん(14)も「祭りはみんなで楽しむ場所。久しぶりに友達と買い物とかをして楽しい。やっぱり祭りっていいな」と笑顔を見せた。
ステージでは、早来中吹奏楽部の演奏を皮切りに、郷土太鼓やキッズチアダンス、地元のよさこいチーム「はるな座」の踊りや空手団体の演武などを披露。シンガー・ソングライターの高橋涼子さんや和楽器ユニット「和心ブラザーズ」、歌手の正木はじめさんといった地元ゆかりのアーティストも出演し、イベントに花を添えた。またポータブルバッテリーや掃除機などの豪華景品、アサヒメロン、チーズ、お菓子の詰め合わせなどの特産品が当たる大抽選会も大いに盛り上がった。
イベントを締めくくる4年ぶりの花火大会では約1200発を夜空に打ち上げ、集まった人たちは安平の夜空に広がった美しく鮮やかな光景に酔いしれた。