安平町は23日に開会した町議会定例会で、早来地区で整備を進めている小中一貫の義務教育学校「早来学園」の建設において設計業者による木下地材の漏れが工事発注後に見つかったことについて、「迷惑は掛けたが、損害は与えていない」と顧問弁護士から受けた見解を行政報告した。
設計業者による木下地材の漏れに関しては、工事発注後の4月上旬に木軸類や壁に使われる下地胴縁をはじめ、合板類などの計上漏れがあったことが施工業者からの指摘で判明。調査の結果、設計業者が確認を怠ったことが原因と分かり、町は設計業者を4月下旬から1カ月間、指名停止処分とした。
今回町が顧問弁護士から受けた通達では、漏れがあった点について「設計業者に瑕疵(かし)はある」「1カ月の指名停止は妥当」としていたが、漏れのあった部分の追加・変更により完全な設計書となったなら「瑕疵の修補を終えたものであり、原則としてそれ以上の債務不履行責任を負うものではない」と説明していた。当初の議決より予算額は超過したが、「完全な設計書に基づいていれば、負担するべきだったもので、本来の正規の金額に戻ったにすぎない」「設計の追加・変更により工期が遅れたり、資材価格の高騰がある特段の事情による損害が認められない限り、設計業者は修補、損害賠償責任を負うものではない」という内容となっていた。
漏れがあった資材の経費約4400万円を含む関連予算については4月下旬の臨時会で可決し、設計変更に関する議案は5月中旬の臨時会で議決された。その一方、臨時会や総務常任委員会の席では「町だけが負担するのはおかしい」「町民に対してしっかり説明していくべき」といった疑問や指摘の声があり、議論が続いている。