安平町議会定例会が23日開会し、4月の町長選で再選を果たした及川秀一郎町長が、2期目の向こう4年間の町政執行方針を述べた。及川町長は胆振東部地震からの復興、新型コロナウイルス感染症対策を最優先とし、「誰一人取り残さず、この町で暮らしてよかったと思えるまちづくりを目指し、町民の皆さまと共に取り組んでいく覚悟。与えられた使命と責任の重さを再認識し、全力で町政運営に取り組んでいく」と力を込めた。
最重要政策として掲げたのは▽未来へつながる復興と人口確保対策の展開▽新型コロナ感染症に対応した取り組みの展開▽暮らしの向上に向けた官民連携による取り組みの推進。
このうち未来へつながる復興と人口確保対策の展開では、震災以降、真っ先に被災者の生活再建を進めたことで「復旧から復興、まちのさらなる発展を目指す時期に移行しつつある」としながらも、「真の復興への道のりは道半ば」と断言。いまだ生徒たちが仮設校舎で学習する早来中学校を、”復興のシンボル”と位置付ける小中一貫の義務教育学校「早来学園」として再建し、来春開校させる。また災害時の備えとして、平時は運動場・合宿施設機能を兼ね備えた施設として稼働させ、災害時は避難所として機能させるため、早来町民センターの大規模改修を行う。
新型コロナに対応した取り組みでは、町民の生活支援やワクチン接種の円滑な実施をはじめ、各種産業・事業の継続と雇用維持、地域の経済対策などを続ける。コロナ禍による社会情勢を踏まえ、町内での滞留を促すコワーキングスペース、シェアオフィスの整備を検討するほか、行政手続きのオンライン化を図り町民の利便性を向上させるなど、町全体のデジタル化を推進していく。
官民連携による取り組みの推進では、地域活性化や民間企業のノウハウの有効活用によって、地域課題を解決し、暮らしを向上させていく考え。子育て世代の移住や住まいに関する問い合わせが増加傾向にあることから、民間賃貸共同住宅の建設支援や空き地・空き家の情報提供を積極的に展開。キャンプ場の指定管理者導入も目指す意向も明らかにした。
定例会の会期は24日までの2日間。
安平町総合計画に基づく主な主要施策
【子育て・教育】
子ども教育環境条例(仮称)の制定、早来地区義務教育学校「早来学園」開校、地域プロジェクトマネジャー導入、あびら教育プランの推進
【人づくり・コミュニティー】
地域活性化起業人や集落支援員制度の活用、早来町民センターの大規模改修
【経済・産業】
町内回遊への仕掛けづくり、台湾交流の取り組み検討、ポイントあびらの利用促進、キャンプ場の魅力化、指定管理者制度の導入、コワーキングスペースやシェアオフィスの整備、新就農支援
【健康・福祉】
地域医療の維持確保、新型コロナウイルスワクチン接種の円滑な実施、福祉施設の建設や建て替え支援、介護人材バンク等を活用した福祉・介護職の確保、農福連携事業の側面的サポート
【生活環境・基盤】
あびら移住暮らし推進協議会(仮称)の設立、民間賃貸共同住宅の建設支援など、カーボンニュートラルによる環境負荷低減の取り組み
【行財政運営】
行政手続きのオンライン化、施設の再編・統廃合、人事評価システムの確立