安平町早来地区に来春開校する小中一貫の義務教育学校「早来学園」の建設において、工事発注後、設計内容に資材不足の不備が見つかり、町はこれ以上の不備がないか、実施設計受託業者アトリエブンク(札幌市)に確認を急がせている。「チェックミスが根本的な原因」とし、すでに同業者を4月下旬から1カ月間、指名停止処分にしている。
早来学園の建設は、現早来小学校の隣接地で昨年7月に着工。工事は10月完成を目指し急ピッチで進んでいる。
町によると、見つかった資材不足は、木軸類約27立方メートル、壁などに使われる下地胴縁5・5立方メートル、合板類約1950平方メートルで、総額4400万円ほどに及ぶ。いずれも4月上旬、施工業者から「提示された見積もりに漏れがある」と指摘され、計上漏れが判明した。
その後の聞き取りで、アトリエブンクが依頼業者による見積もりを過信し、確認を怠ったことが資材不足の原因と発覚。町は、道の見解に倣い、同業者に4月22日~5月21日、「入札に参加できない」指名停止処分を下した。
不足資材による建設工事費の増額に関しては、4月下旬の町議会臨時会に一般会計補正予算案を提出。5月の同臨時会で建設工事請負契約金額の変更を提案し、いずれも可決している。
ただ、この件で議員からは「すべて町側で責任を取るのはおかしい」と町の対応を疑問視する意見や、「自分の家を建てる時、同じようなことが起きていたら大変なことだ」と設計に対する不安の声が上がっている。町建設課は「アトリエブンクには処分、指導とともに、他に不備がないか、確認してもらっている」と説明している。