胆振東部地震で社務所や鳥居などが大きな被害を受けた厚真神社の復旧工事が終わり、お披露目を兼ねたイベント「鎮守の杜(もり)マルシェ」(同実行委員会主催)が24日に同神社で開かれる。境内でパンやジンギスカン、スイーツ、野菜を販売するほか、美容体験や整体などを計画しており、関係者は「厚真神社が復旧した喜びを多くの方と共に分かち合えたら」と話す。
同神社は、2018年9月の地震で社殿内を支える柱が傾いたほか、住居を兼ねた社務所が被災。高さ6メートルほどの大鳥居は真っ二つに折れるなど甚大な被害に遭った。これを踏まえ、被災から1年後に「厚真神社復旧復興奉賛会」が発足。工事のために町内外から多くの寄付を集めた。
工事は20年4月に始まり、今年5月末で完了した。その中で、神社の再建に合わせて「地域の皆さんにお披露目する機会をつくれたら」と町民有志が実行委を立ち上げ、準備を進めた。当日は町内外から10を超える事業者が出店し、パンや焼き鳥、ジンギスカン、かき氷、スイーツなどを提供するほか、シイタケやホウレンソウを販売。まつ毛エクステ無料体験(先着8人限定)や鍼灸(しんきゅう)、整体といったメニュー、神事の茅の輪くぐりも用意している。
実行委員長の宮野和美さん(49)は「町のシンボルの神社が時間をかけ、多くの支えを得て復旧でき、自分たちも元気づけられた。買い物を通じ、被災した人が明るい気持ちになるイベントになれば」と期待。また「遠くから支えてくれた方にも『厚真は頑張っているよ』ということを知ってもらいたい」と思いを語る。
イベントの時間帯は午前10時から午後3時。新型コロナウイルス感染症対策として、飲食はテークアウトのみ。来場の際はエコバッグの持参を呼び掛けている。問い合わせは、同実行委(厚真神社社務所)電話0145(27)2158。