環境省は14日、国立・国定公園の新規指定または大規模拡張の候補地を公表した。本道の「根付半島・風蓮湖・根室半島」や沖縄県の宮古島沿岸海域の2地域を国定公園の指定候補地に加えるなど、既存の候補地を含め14地域を選定。生物多様性の保全が目的で、国立・国定公園の指定状況を全国的に見直すのは2010年以来12年ぶり。
政府は30年までに陸と海の30%以上を保全する目標を打ち出しており、今回の措置で保護地域を拡充する。国立・国定公園の区域内では開発が規制されるため、同省は今後、各候補地について地元の合意形成や具体的な区域の検討を進め、30年に向け順次指定、拡張を目指す。
環境省は10年に18地域を国立・国定公園の新規指定候補地などに選定。このうち、国立公園化を目指す北海道の日高山脈・夕張山地など8地域は指定や拡張に向け調整を続けており、今回も候補地に位置付けた。
これとは別に、国定公園の候補地に2地域を追加。標高3000メートルを超える山岳でライチョウが生息する御嶽山と、国内最大規模のサンゴ礁群などがある宮古島沿岸海域を新たに選定した。
一方、既に国立または国定公園となっている八幡平周辺(岩手、秋田両県)▽奥只見・奥利根(福島、群馬、新潟各県)▽能登半島(石川県)▽阿蘇周辺の草原(熊本、大分両県)の4地域を、新たに大規模拡張候補地とした。 現在、国立公園は34カ所、国定公園は58カ所ある。国内では陸域の20・5%、海域の13・3%が保護地域となっている。