円相場が9日の東京外国為替市場で一時、1ドル=134円50銭台に下落した。前日の海外市場の安値を下回り、2002年2月以来、約20年4カ月ぶりの円安・ドル高水準を更新した。前日の米長期金利が原油先物価格の大幅続伸を受けて節目の3%を超え、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが進んだ。
正午現在は、134円27~27銭と前日午後5時と比べ69銭の円安・ドル高。対ユーロでは1ユーロ=143円96~97銭と1円21銭の円安・ユーロ高。
市場では、原油価格の上昇で米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを抑制するための利上げペースを緩められないとの見方が強まっている。米長期金利の上昇を受け、低金利の円を売って金利の上昇が見込まれるドルを買う動きが加速している。
ただ、欧州中央銀行(ECB)が9日夜の定例理事会後に発表する金融政策の内容を見極めたいとのムードもあり、「一段と円を売り込む動きは限られている」(大手銀行)という。