2010年3月に閉校したむかわ町の旧生田小学校の校舎を利活用し、外国人技能実習生を受け入れる宿泊型の施設「むかわ研修センター」が誕生した。2日に同センターで開所式が行われ、第1期生として入所したウズベキスタン出身の28人が、新生活をスタートさせた。
同センターを運営するのは、外国人技能実習事業を監理するふれあい事業協同組合(札幌市)。町や同組合によると、閉校となった校舎の貸し出し事業者を探していた町に同組合が19年に打診し、20年9月に貸与を受けた。当初は同年度中の受け入れ開始を目指していたが、新型コロナウイルス感染拡大による入国規制などで遅れ、実習生は2年ほど自国での待機を余儀なくされていた。
開所式で、同組合の平井英司代表理事は「1カ月の研修期間で多くのことを学んでほしい。一日も早く日本に慣れ、元気に過ごしてもらいたい」とあいさつ。竹中喜之町長は「学びの拠点として活用されることを大変うれしく思う。(研修の)回を重ねることで、いずれはむかわ町内の施設で働く方が出てきてくれることを願っている」と期待を寄せた。
実習生を代表して、ムイディノフ・オイベクさん(21)は「本当に日本に来られるのか不安な時期もあったが、ようやく来ることができた」と胸の内を明かし、「むかわ町は自然が豊かで、農業が盛んで、親近感がある。自然を感じながら研修を頑張り、両国の交流と発展に役立ちたい」と決意表明した。
今回入所した実習生は約1カ月、同センターで生活しながら言語や日本での生活習慣、文化、専門知識などを学び、7月以降、給食調理員として道内12の病院・福祉施設に配属される予定。
同組合は、道内の病院・福祉施設で勤務を希望する外国人実習生を1回に付き30人ほど受け入れていく。また、大規模災害時には住民の避難施設として開放し、炊き出し業務などを行う考え。