新卒学生らを対象にした採用選考が、新型コロナウイルス下で3度目を迎えた。主要企業は1日、2023年春卒業予定者の面接を開始。オンライン形式が定着しているが、直接会って話し、コミュニケーション能力などを見極めたいとの考えもあり、最終面接を対面方式に戻す動きが広がっている。
三井住友海上火災保険は同日、1次面接を開始。初日は全国で約600人が面接に臨み、3次面接まではオンラインで行う。しかし、その後の最終面接は、すべて対面で実施する予定。前年も最終面接は対面の予定だったが、コロナの感染拡大を受け、一部地域はオンラインに変更した。採用チームの島村太朗課長代理は記者団の取材に「最後は対面で会って、採りたい人材を見極めることが大切だと感じている」と語った。
アサヒビールは同日、最終面接を開始。前年まで2年連続ですべての面接をオンラインで行ったが、今年は最終面接だけ対面に戻す。就職情報会社マイナビ(東京)の東郷こずえ氏は「画面では伝わりづらい人格や社風を確認するため、最終面接は企業と学生双方から対面方式が望まれている」と指摘している。