登別市の「知里幸恵 銀のしずく記念館」の3代目館長に東京・アイヌ文化交流センター所長代理の木原仁美さん(47)が5月28日付で就任した。木原さんは知里幸恵のめいで、初代館長横山むつみさん(故人)の長女。
木原さんは1974年7月、登別市生まれ。4歳から東京で育った。館長職はアイヌ文化交流センター所長代理と兼任し、千葉県の自宅からリモートワークで業務に当たる。
この日は同館を訪れ、松本徹理事長、森川慎介副理事長と会見。「幸恵さんの活動を伝えることを通してアイヌ文化全体に興味を持ってくれる人を1人でも多く増やしたい」と話し、「幸恵さんに関わる実物資料が見られるのが記念館の魅力。重責だが前向きな気持ちで頑張りたい」と意気込みを語った。
同館は、口承文芸カムイユカラをアイヌ民族の手で初めて文字化した「アイヌ神謡集」を著し、19歳で早世した同市生まれの知里幸恵(1903―22年)の生涯や業績を伝えるため、横山さんらが2010年9月に開館した。今年9月に知里幸恵没後100年、来年6月に生誕120年を迎える。