恐竜化石を活かしたまちづくり特別講演会 最新情報を紹介 北大総合博物館副館長の小林教授 むかわ

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  • 2022年5月28日

 恐竜化石を活(い)かしたまちづくり特別講演会が27日、むかわ町四季の館で開かれた。北大総合博物館副館長の小林快次教授が講師を務め、穂別地区で発掘されたハドロサウルス科の植物食恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)を通して分かったことなど恐竜研究の最新情報を紹介した。

 むかわ町をはじめ、兵庫県丹波市、丹波篠山市、熊本県御船町などの自治体でつくる「にっぽん恐竜協議会」の総会(リモート)に合わせて開催した。

 小林教授は、ハドロサウルス科の恐竜が海の近くに住んでいたことなどを取り上げ、「むかわ町は陸の地層も海の地層も分布している」と説明。むかわ竜の化石標本について「恐竜の歴史に残るもので、世界的にも価値の高いものがこの穂別で見つかっている。磨き残しをさらに磨いて、輝かせてほしい」と呼び掛けた。

 最新の話題では、上川管内中川町で2000年に発掘された恐竜化石がテリジノサウルス科の新種であることが分かり、「パラリテリジノサウルス・ジャポニクス」と命名したことを発表。これらを踏まえ、「研究でいろんなことが分かるようになってきた。いつか日本で恐竜の世界が描ける日が来るのでは」と期待を込めた。

 鵡川高校恐竜研究同好会1年の山下真優さん(15)は「世界を回って、化石の研究をするのはカッコいいなと思った。(講演会で聞いた話は)今後の化石発掘活動に生かせるのでは」と話していた。

 また、同協議会の総会では任期満了に伴う役員改選があり、むかわ町の竹中喜之町長を会長に再任した。任期は24年3月末まで。

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