「防衛力を抜本強化」―骨太原案 来年度予算の大幅増額視野

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  • 2022年5月25日

  政府が近くまとめる経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の原案の全容が24日、判明した。中国の台頭やロシアのウクライナ侵攻で厳しさを増す国際情勢に対応するため、「国家安全保障の最終的な担保となる防衛力を抜本的に強化する」と明記。2023年度予算案での防衛費の大幅増額を視野に、侵攻してくる敵の攻撃圏外から対処するスタンド・オフ防衛能力や無人化装備、宇宙・サイバー防衛などの強化を打ち出した。

   原案では、年末に予定する国家安全保障戦略の改定で、経済安全保障も重要課題に位置付ける方針を示した。半導体など重要物資の安定供給を確保するため、基金を活用し、必要な支援措置を整備する。

   岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実現に向け「人への投資」も強化する。学生が卒業後に「出世払い」方式で返済する奨学金を創設。最低賃金については「できる限り早期に全国加重平均が1000円以上」との目標を掲げた。

   科学技術分野では、人工知能や量子技術などに「大胆に投資」。新興企業の育成には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの資金も活用する。脱炭素社会の実現へ新たな国債「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」(仮称)も発行する。

   来年4月の「こども家庭庁」発足を目指し、子育て支援の財源については保険料で賄う「こども保険」を念頭に「社会全体での費用負担の在り方」を検討。75歳以上の高齢者医療費は、金融所得・資産を勘案した窓口負担の制度設計を進める。マイナンバーカードの健康保険証としての利用を広げ、保険証は将来の原則廃止を目指す。

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