白老町は今年度、町若草町の駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)にアイヌ工芸品など地元物産販売のテナント施設を建設する。白老の観光振興と地域経済の活性化などを狙いとし、年度内に物販の事業者を公募し、来年4月オープンを目指す。
事業については、29日の町議会定例会10月会議で明らかにした。町によると、施設は木造平屋建て約80平方メートルで、3店舗分(1店舗当たり約26平方メートル)を整備する。各店舗には給排水や換気扇、照明設備、エアコン冷暖房機器などを備える。店舗スペースは最長3年間の期限付きのチャレンジショップとして貸し出し、来年2月ごろに公募する。
施設は民間に委託して運営。テナントは町内の観光関連事業者とし、毎月、定額の維持管理費を徴収する。テナントには主に地元特産品を扱ってもらい、白老の魅力を観光客にアピールする場としたい考えだ。
建設場所は、ポロトミンタラの観光インフォメーションセンター付近。来年3月末までに整備し、観光シーズンのゴールデンウイーク前の開業を目指す。事業費は2460万円で、新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金を活用。施設整備は、コロナ禍で売り上げが落ち込んだ地元事業者の事業継続を支援する狙いもある。
開設に向けて町は今後、駅北観光商業ゾーン設置・管理条例の改正について町議会に提案する。
駅北観光商業ゾーン(1・5ヘクタール)は、国が白老に開設したアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)を生かした観光振興策として町が整備。昨年4月に地元観光情報発信と物販機能を備える観光インフォメーションセンターを開業し、白老観光協会が指定管理者となって管理運営を担っている。