復旧事業8割完了 胆振東部地震から3年を前に宮坂町長 心のケア、森林再生など課題も  厚真

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  • 2021年9月1日

 厚真町の宮坂尚市朗町長は8月31日、2018年9月6日に発生した胆振東部地震から3年を前に記者会見を開いた。宮坂町長は「(安平、むかわ両町と)3町足並みをそろえて復旧を果たし、復興フェーズ(局面)を迎えたい」とし、「誰一人として取り残すことなく、これからの険しい道のりを歩んでいきたい」と力強く語った。

 3年前、道内全域を襲った地震で被害が大きかった厚真町は、最大震度7を観測。災害関連死を含め37人が犠牲となった。この間、仮設住宅での生活を強いられた町民の住まいの再建をはじめ、道と町の復旧事業は全体の約8割(7月末時点)を完了。農地や農業用施設などの復旧も今年度中に終える予定となっている。

 宮坂町長は震災から3年を迎えるに当たり、「(全体の)復旧は加速しているが、町民の心の痛みのケアや復旧が進んでいないところがある」と説明。具体的には、高齢者層を中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響で近隣住民との接触機会が少なく、孤立してしまう状況などを挙げ、「抱える悩みが大きくなっている町民に手を差し伸べられるよう努力していきたい」と話した。また復旧事業の治山は3割程度にとどまり、宅地耐震化も時間がかかる見通しという。

 宮坂町長は町民の心のケアや山腹崩壊でむき出しになった森林の再生、震災により再び減少の一途をたどる人口対策など「まだまだ課題は山積している」と述べ、「今後の取り組みを見守っていただきたい」と呼び掛けた。

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