栄冠目指し、激闘繰り広げる―高校野球・春季室蘭支部予選総括

  • スポーツ, 野球
  • 2021年5月19日

 第60回記念春季北海道高校野球大会室蘭支部予選は8~15の8日間、とましんスタジアム=苫小牧=で開かれた。胆振、日高の19チームが出場し2ブロックのトーナメント戦を展開した。Aブロックは駒大苫小牧が苫小牧中央を7―6で制して6年連続16回目の優勝。Bブロックは北海道栄が苫小牧東を3―1でかわし、5年ぶり13回目の栄冠を飾った。支部予選の激闘を振り返る。

 【Aブロック】

 苫中央との代表決定戦で終盤の大逆転劇を演じて代表権を手にした駒大苫。1―4の劣勢で迎えた七回に7安打の猛攻を仕掛け、一気にひっくり返した。佐々木孝介監督は「どこかで逆転できると思っていた」と話し、部員への厚い信頼を感じさせた。

 1番津田翔太郎(3年)は二塁打2本を含む猛打賞を達成。5番荒木凜(同)は今大会全3試合で長打をマークするなど主力の意地を見せた。

 ただし守備面では課題も残した。苫中央戦のチーム合計の失策は4。佐々木監督は「数字には見えないミスも多かった。守備では進歩が見られていない」と改善を促した。遊撃手の佐藤大哲主将(3年)は「全道大会に向けて一つ一つのプレーにこだわりを持ってやっていきたい」と真剣なまなざしで語った。

 苫中央は最速144キロの直球を投げる斉藤優汰(2年)が先発。六回まで1失点で抑えたが、七回に駒大苫打線につかまり逆転を許した。小池啓之新監督率いる鵡川は2回戦で室蘭栄に1―3で惜敗。苫小牧西・白老東・富川・えりもと苫小牧南も2回戦で敗退した。

 【Bブロック】

 道栄が堅い守りで頂点に立った。準決勝で対戦するはずだった静内が辞退して不戦勝で進出した代表決定戦で、苫小牧東に対しエース濱中拓(2年)が完投勝利を挙げた。

 五回に苫東の4番高田雅由(3年)のソロ本塁打を浴びたが、他に失点を許さなかった。球数も9回109球と打たせて取る高効率の投球を披露した。

 打っては4番川越亮輔(3年)が2試合で8打数5安打と爆発した。伊達開来との2回戦では単打、二塁打、三塁打の3安打。サイクルヒット目前の活躍を見せたが、「力んでボールの下をこすることもあったので修正したい」と貪欲さを見せた。代表決定戦で5番に入った柳原大輝(2年)も2試合を通じて7打数4安打と当たっており、全道大会での躍進に期待が懸かる。

 苫東は準決勝で大谷室蘭に10―1の大勝で勢いに乗っていたが、あと一歩及ばなかった。苫小牧工業は2回戦で大谷室蘭に1―2の逆転負け。苫小牧高専と浦河も初戦で敗退した。静内は準決勝まで駒を進めたが校内事情で出場辞退した。

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