第88回全日本アイスホッケー選手権大会は12、13両日、青森県八戸市のテクノルアイスパーク八戸でトーナメントが行われる。12日の準決勝では、王子イーグルスが東北フリーブレイズ、ひがし北海道クレインズは栃木日光アイスバックスと対戦する。13日は決勝と3位決定戦。
今年度は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小し、アジアリーグ加盟の国内勢5チームのみが参加。ひがし北海道と横浜グリッツのトーナメント1回戦は、開催中のジャパンカップの成績(10月18日分)を準用し、4―2で制したひがし北海道が勝ち上がった。
昨年の前回は東京開催。栃木日光アイスバックスが5年ぶりに優勝した。2位は東北フリーブレイズ。王子イーグルスは3位となり、ひがし北海道クレインズが4位だった。
組み合わせは別表の通り。
―王子、2年ぶり王座奪還なるか
アイスホッケー国内最高峰の舞台、全日本選手権大会が12日、青森県八戸市で準決勝以降を展開する。88回の歴史と伝統をつなぐトーナメントには今回アジアリーグ国内勢のうち4チームが出そろう。現在開催中のジャパンカップ(JC)で首位を走る王子が2年ぶりの王座奪還に向け一歩リードする形だが、短期決戦で打倒王子を掲げる他チームの勝負強さも侮れない。
王子は攻撃力がさえ渡っている。JCでは14試合を終え平均5・3点と、3・6点の栃木日光、3・2点のひがし北海道と比較しても圧倒的だ。特に菅原監督が「チームの看板セット」と言うFW高橋、中島、中屋敷、DF橋本、佐々木のラインで計33得点。CFレデンバックを中心とした不動の第1セット、チームトップの12得点を挙げているFW久慈のセットも決定力がある。
守備面は1試合平均2・4失点。新型コロナウイルスの影響で10月31日の栃木日光戦から先発マスクをかぶるGKマッキンタイアが、各戦でしぶとい守りを見せ試合をつくっている。
11月22日の栃木日光とのアウェー戦で、2点を先行されながら延長戦の末逆転勝利。全日本選手権直前の12月6日、ひがし北海道とのホーム戦では第3ピリオドに追い付かれながらも3―2で勝ち切るなど、粘り強さが出てきたのもタイトル奪取に向け好材料だ。
王子が最初に激突する東北は3セット回しがやっとで選手層が薄く、好不調の波も激しいのが難点。ただ、昨年度までホームリンクだったテクノルアイスパークでの全日本開催に、並々ならぬ闘志を燃やしているに違いない。10月中旬のJCホーム開幕戦では王子に競り勝っている。要警戒だ。
JCで2位につけるひがし北海道は、試合を重ねるごとにベテランと若手がかみ合い、攻守に厚みが出てきた。GKオージンシュの安定感も抜群。11試合に出場しセーブ率92・74%と同ランキングトップに君臨している。
前回全日本覇者の栃木日光は、JC得点、ポイントランキングで首位に立つFW古橋を中心に王子に次ぐ攻撃力を誇る一方、守りでは若手中心の布陣で安定さに欠ける。