2020年甲子園高校野球交流試合第5日は16日、甲子園球場で行われ、北海道代表の帯広農業は二回に先制すると、その後も効果的に追加点を挙げ、守ってもエース・井村が好投。健大高崎(群馬)を4―1で破り、甲子園初の1勝を挙げた。そのほか、鶴岡東(山形)明石商(兵庫)が勝った。
帯広農は二回、谷口の適時打で2点を先取。三回1死三塁から前田のスクイズで加点し、五回にも1点。井村が6回1失点と好投。全員野球ではつらつとしたプレーを見せ、夢の聖地で校歌を笑顔で歌った。
鶴岡東は日本航空石川(石川)を5―3で退けた。同点の五回に暴投で勝ち越し、八回に小林の二塁打で加点した。阿部が7回3失点。明石商は桐生第一(群馬)を3―2で下した。六回に井上の2点適時打で先制し、八回に代打山口が適時打。中森は2失点完投。
最終日の17日の第1試合は、大阪桐蔭(大阪)が4―2で東海大相模(神奈川)を下した。第2試合は智弁和歌山(和歌山)―尽誠学園(香川)、第3試合では北海道代表の白樺学園(北海道)が山梨学院(山梨)と対戦する。
17日
◇1回戦
東海大相模(神奈川)
000000200―2
10000012X―4
大阪桐蔭(大阪)
(東)石田、笠川、諸隈―神里
(桐)藤江、松浦―吉安
16日
◇1回戦
帯広農(北海道)
021010000―4
010000000―1
健大高崎(群馬)
(帯)井村、水上―村中
(健)下、長谷川、朝井、橋本拳、鈴木―戸丸
桐生第一(群馬)
000000101―2
00000201X―3
明石商(兵庫)
(桐)宮下、蓼原―星野
(明)中森―名村、西田
鶴岡東(山形)
102010010―5
210000000―3
日本航空石川(石川)
(鶴)阿部、太田―北原
(日)嘉手苅、田中―中谷
15日
◇1回戦
磐城(福島)
020001000―3
00300100X―4
国士舘(東京)
(磐)沖―岩間
(国)中西―吉田
仙台育英(宮城)
000100000―1
00011130X―6
倉敷商(岡山)
(仙)向坂、伊藤、阿部、笹倉―木村、吉原
(倉)福家、永野―田村
―帯農、「らしさ」存分に
帯広農は狙い通りの攻撃が決まった。三回は、一塁走者が盗塁して捕手の悪送球を誘い三進。すかさず4番がスクイズ。五回は単打で出た先頭打者を犠打で進め、次打者が適時打とスムーズに加点した。「バントや足を絡める自分たちらしさが出た」と主将の井村。長打力で劣る公立校らしい戦いで、昨秋の関東王者を破った。
先発の井村はカーブで巧みに相手打線のタイミングを外し、6回1失点。「強い打球を内野が止めてくれて助かった」。バックも3併殺などでもり立てた。
21世紀枠で選抜に選ばれた農業高校。農家の後継者になるなど、卒業後は野球をやめる選手も多いという。井村は「全員野球で最後に1勝できてうれしい」。聖地での格別の白星をかみしめた。