女子軟式野球クラブチームの苫小牧ガイラルディアは7月の春季全道大会(札幌市)と今月1、2の両日に開かれた秋季全道大会(函館市)で連続優勝した。両大会通じてチームは8連勝し、勢いを結成15年目で目標にしている「日本一達成」につなげる構え。大滝裕生雄監督は「チームが目指す守って勝つ野球ができた」と直近二つの大会を振り返った。
北海道女子軟式野球連盟公式戦の春季、秋季各全道大会には苫小牧ガイラルディアをはじめオホーツクスマイリーズ(春季のみ出場)、函館ドルフィンズ(秋季のみ出場)、札幌ブレイク、JBC札幌、札幌シェールズが1回総当たり戦を展開。苫小牧ガイラルディアは、両大会で全勝し、春は2017年以来4年連続、秋は2年ぶりの栄冠となった。
春季大会は例年、6月ごろに開催してきたが、新型コロナウイルスの影響で延期。秋季大会は例年9月開催だが、今年は東京五輪開催が本来は予定されていたため、8月への前倒しが決まっていた。
春季大会は最優秀選手の小鹿未來を中心に、投手陣が奮戦。小鹿がオホーツクスマイリーズ戦で完封するなど、4試合の通じたチーム失点を4に抑えた。
打っては遊撃手や投手として出場した宮田樹莉亜主将がリーグ戦4試合で二塁打3本を放った。パワー不足を課題としてきた宮田主将は、毎日行っていた素振りで打撃力を強化。「100%納得のいくバッティングではなかったけれど、不調を脱することができてよかった」と手応えを語った。
秋季大会でもガイラルディアは強さを維持した。優勝決定戦となった札幌シェールズ戦こそ5―4の接戦だったものの、他は大差の試合で圧倒した。
投手の京野優希は札幌ブレイク戦で先発し、完封。優勝決定戦の札幌シェールズ戦でも、一回に4失点を喫した宮田を三回から救援。その後を無失点に抑える投球で大会MVPに輝いた。直球を中心にアウトコースに意識して投げ、「捕手のリードと守備に助けられ、打たせて取るピッチングができた」と語った。
両大会とも優秀選手に選ばれた捕手の田中莉子は好機の打撃で勝負強さが光った。秋季大会の札幌シェールズ戦、最終七回で2点適時二塁打で試合を決めた。田中は「ここで決めたいと思って打席に入った。詰まった当たりかとも思ったが、抜けてよかった」と会心の一振りを振り返った。
今年の全道大会二つを最高の形で終えた苫小牧ガイラルディア。昨年の秋季大会では優勝を逃したが、今回の春秋連覇で復調を印象づけた。
秋季大会は、来年に北海道で開催される全日本選手権の1次予選の位置付け。来年の春季大会を経て決まる出場権は道内の4チームに与えられるため、ガイラルディアの全日本出場は濃厚だ。
大滝監督は「来年春の大会も優勝して、全日本選手権では初制覇に挑みたい」と語る。宮田主将は「隙がない守備とつなぐ打線の強化」を課題に挙げ、「さらにパワーアップしたチームで来年の全道大会を迎えたい」と決意を表した。