鵡川高校(三村素道校長)は、2018年9月に発生した胆振東部地震をきっかけに本格化した大分県の佐伯豊南高校との交流を引き続き計画している。今年度は共同できる授業やそれぞれの特産品をコラボした商品開発などについて話し合う。新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮しながら、昨年に引き続き互いの自治体を行き来する訪問交流も検討している。
両校の関わりは、一昨年の震災で大きな被害を受けた鵡川高に佐伯豊南高が応援メッセージと義援金を届けたことがきっかけ。鵡川高の生徒が感謝の気持ちを表したビデオレターを送り返したことで交流が本格化した。昨年8月には佐伯豊南高の生徒と卒業生、教員がむかわ町を訪れた。11月には鵡川高の生徒と教員が佐伯市を訪ね、現地で開かれたパン祭りで自分たちが考案したオリジナルのパンを売ってもり立て、町の活性化にも一役買った。
こうしたつながりをさらに強めようと、今月17日に今年度最初の交流がオンラインで行われ、2年生同士が画面上でやりとり。互いの自治体に感染者は出ていないものの、5月末までの緊急事態宣言期間中、「外に出られない」「友達に会えない」「ストレスを発散できない」など新型コロナウイルスの感染拡大で受けた影響について共感。「7時間授業になり、部活動の時間が短くなった」「(地域の)お祭りが中止になった」などそれぞれの近況や「当たり前の大切さやコロナの怖さを改めて感じた」といった思いを語り合った。
参加した鵡川高の相馬来心さん(16)は「向こうの現状を知ることができ、『頑張ろう』という気持ちになった。もっと話せることがあったし、時間が短く感じた」と振り返る。お互いの町を行き来しての交流に「新しい発見や違う価値観があって新鮮。この機会にいろいろと交流してみたい」と思いを膨らませた。
両校は当面、オンラインを通じた生徒同士の交流を軸に活動を展開。今後はつながりをさらに強固にしていくため、鵡川高では「教員が現地に行くことを考えているが、チャンスがあれば生徒にも行かせて交流させたい」と話している。