新たにシカ防護柵設置へ―再生試験地 カムバック1952―アポイ岳再生委

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年6月16日

 カムバック1952―アポイ岳再生委員会(会長・増沢武弘静岡大客員教授)の総会が14日、様似町中央公民館で開かれ、2020年度の事業計画などを決めた。委員会が運用するアポイ岳5合目付近の高山植物の再生試験地全体をシカ防護柵で囲い、最終的には一般見学もできる移動実験施設にする。

 急速に衰退し危機的な状況にあるアポイ岳の希少な高山植物群落を、国の特別天然記念物に指定された1952年当時のような姿に再生することを目指している。2006年に同委員会が発足。5合目の山小屋に近い王子木材緑化が所有する土地に高山植物の再生試験地を開設し、13年からは様似中と連携して生育試験をしている。

 総会には増沢会長や委員会メンバー、オブザーバーの日高振興局担当者ら25人が出席。再生試験地の維持管理や植栽植物の観察調査、様似中の再生試験の取り組みへの全面協力など主要事業を確認した。

 再生試験地は5カ所に設定し、それぞれ個別にシカ柵やドーム柵で植物被害を防いでいるが、古い開設地は柵が老朽化。運用・管理面でも使い勝手が悪いため、全体を新たなシカ柵で囲う。今年度中に整備申請などの準備を進める。

 増沢会長は「再生地を全体で囲うことで多様な再生実験ができる。持続可能な移動実験施設にしたい」と話した。

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