白老町は、来町する観光客の交通利便性を高めるため、JR白老駅などを起点にした町内循環の「交流促進バス」を5月29日から運行することを決めた。アイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)の開業に合わせて当初、今月24日に運行開始する予定だったが、新型コロナウイルス対策で開業が5月29日へ延期されたため、バス運行開始も同日にずらした。町は、アイヌ文様やウポポイのキャラクターを車体にデザインしたバス2台を導入し、準備を進めている。
交流促進バスは、白老駅を起点にした「市街地循環バス」20便と、ウポポイを起点にした「社台・市街地便」6便の計1日26便。白老観光バスに委託して運行し、運賃は大人100円、小中学生50円とし、ウポポイ定休日の月曜日は運休する。
「市街地循環便」は、白老駅―ウポポイ―駅北観光商業ゾーン・観光インフォメーションセンター―スーパーくまがい―町役場―白老駅のルートを15分間隔で運行する。JRを利用して来町する観光客の2次交通を確保し、観光インフォメーションセンターや町中心部の大町商店街などへの誘導も狙う。
「社台・市街地便」は、白老駅を経由し社台地区の菓子店やすし店、カフェ、石山地区の白老牛レストランといった飲食店、仙台藩白老元陣屋資料館などを巡るルート。運行は基本的に1日6便だが、水曜日は社台と中心部をつなぐ短いルートで1日5便とする。
2路線のバスは、「ポンチョ」(乗車定員36人)と呼ばれる立ち乗り車両。アイヌ文化やウポポイをPRするデザインを施した2台が納車され、町が5月29日に向けた準備に取り掛かっている。
この他、町は白老駅に建設した自由通路の臨時改札口も5月29日から運用することを決めた。駅ホームと自由通路を直接行き来できる臨時改札口は当初、政府主催のウポポイ開園式典に合わせて今月18日から運用する予定だった。しかし、新型コロナウイルス拡散防止で式典が5月23日へ先送りされたため、町は改めて開始日を検討。ウポポイ開業日の5月29日へ延期することにした。
臨時改札口はウポポイ休館の月曜日を除く午前8時半から午後6時に開き、白老観光協会に業務委託する。