胆振東部地震で社殿や社務所が大きな被害を受けた厚真神社(同町新町)の春季大祭・農機具安全祈願祭が16日、社殿前で行われた。地元の関係者ら約20人が参列。あいにくの寒気による冷たく強い風が吹く中、神事が執り行われ、参列者たちは今季の営農開始を前に豊作と歴史ある神社の一日も早い再建を願った。
同神社は2018年9月に発生した地震で社殿内の柱が傾いたほか、住居を兼ねた社務所も損壊。社殿の修復、解体した社務所の改築、神輿(みこし)殿の整備などに最低1億2000万円が見込まれ、昨年発足した「厚真神社復旧復興奉賛会」を中心に現在、町内外に寄付を呼び掛けている最中。これまでに1億円を超える善意が届いているという。
現在は社務所の解体が終わり、17日から社殿の復旧工事が始まった。4代目神主の黒沢寿紀宮司は「種まきが始まる時期に入り、今年も豊作であるよう願った」とあいさつ。神社再建に関しては「日に日にいろんなことが変わっていくが、工事を始められることをうれしく思うし、スムーズに完成することを楽しみにしている」と話していた。