胆振総合振興局と厚真、安平、むかわ 横のつながりが大事 オンライン座談会 震災から3年

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  • 2021年11月26日

 胆振総合振興局と厚真、安平、むかわの3町は24日、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を活用した座談会を開いた。被災3町で活動する住民有志が発災直後からこれまでの取り組みについて情報を共有し、地域の垣根を越えて横のつながりを深めていくために意見を交換した。

 地震から3年がたち、震災の記録と記憶を風化させず、未来へ継承していくことを目指し、同振興局と胆振町村会、3町が主催。厚真町の村上朋子さん、安平町の青木明子さん、むかわ町の奥野恵美子さんの事例発表と、3町の町長を交えたフリートークを展開した。

 事例発表では、村上さんがこの春に町社会福祉協議会を退職し、住民団体「つむぎ」を立ち上げたことを紹介。現在は中高年の体操や脳トレ、健康学習をはじめ、元気クラブや住民と子どもたちの英会話の場、カフェなどを運営し、「20年プランでゆっくりとやっている」と説明した。

 青木さんはNPO法人とあさ村代表として運営し、昨年、「障害を持った人でも安心して避難できる場所」としてJR遠浅駅近くの空き家を使ってコミュニティーサロン「みんなの家」を開設。カフェや防災イベントの場としても活用しており、今後は地域おこし協力隊の支援を要望するほか、「多くの人とつながりを持っていきたい」と希望を口にした。

 奥野さんはむかわ町まちづくり委員会の委員長を務め、3年前の地震で「地域とのつながりの大切さを改めて感じた。この経験を忘れず、伝えていく」と気持ちを新たに。風呂敷を使った防災イベントや中学生との防災学習にも参加しており、「その時だけで終わらせず、ひも付けしていきたい。やむを得ず、町外に行った仲間に元気になったむかわ町を見てもらいたい」と意欲をうかがわせた。

 フリートークでは、厚真町の宮坂尚市朗町長が「コミュニティーの再生、被災者のサポートにおいて、われわれの取りこぼしているところに手を差し伸べてくれている」と有志の取り組みに感謝し、「行政としても必要な要望に応えていきたい」と語った。安平町の及川秀一郎町長は「コミュニティー復興支援事業として、地域の居場所づくりを担っていただいている」とし、「安平地区、遠浅地区については地域別計画の策定を考えており、行政として支援していけたら」と話した。

 むかわ町の竹中喜之町長は「それぞれに仲間がいて、その先につながる目的、目標を持ち、一過性ではなく、災害を一つの経験値としてその時の踏ん張りを今の活動につなげて地域の皆さんに元気を届けている。共通ワードになっている『つなげて、つながる』は行政として望むところ。創生の扉を開いていけたら」と述べた。

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