むかわ町の穂別高校(小野達彦校長)はこのほど、北海道高校道徳教育推進事業の一環で公開授業・研究協議会を行った。
同校は、道教育委員会に指定された道徳教育推進事業の推進校。今年度は、さまざまな授業や外部講師とのオンライン研修などを通じ、道徳教育的な視点で生徒に考えさせる機会を設けてきた。
公開授業は2年生の家庭科で行い、夫婦別姓の是非について考える内容で進めた。生徒は婚姻の法的位置付けの確認や各国の婚姻における「姓」の扱い、婚姻の形態、実際に女性が姓を変えることが多いことなどを各自で調査し、その情報を共有した。山本厘さんは「事実婚でも法律婚でも、メリットやデメリットがそれぞれにあることが分かった」と感想を述べた。
教職員たちは、結婚観などについて男女間や個々で考え方が異なることから他者の考え方を受け入れる生徒の視点を重視。公開授業を担当した石井京子教諭は「今後の授業展開や道徳教育研究に向けて、大きなヒントを得ることができた」と語った。
授業後には研究協議会が開かれ、スマートフォンをはじめとするICT(情報通信技術)の授業での活用や、道徳教育の位置付けに関して意見交換。助言者の上川教育局教育支援課高学校指導班の●【99cb】井央指導主事は「生徒の発言を視覚的に残し、『見える化』することで、より考えを深めさせることができる。生徒が他者の発言を理解することに道徳的な意義があるのでは」と説いた。