むかわ町の穂別高校(小野達彦校長)でこのほど、地域連携事業の一環として町の地域おこし協力隊員を講師に招いた「世界を知る講演会」が開かれた。全校生徒が海外の様子に熱心に耳を傾けた。
コロナ禍で海外に行くことが難しい中、少しでも生徒に視野を広げてもらおうと企画した。講師は、穂別キャンプ場で勤務する両角創平さん、梓美さん夫妻と、ブラジル出身の村井エリカさん。
両角夫妻は2018年4月から約1年2カ月、「バックパッカー」として世界一周旅行で数十カ国に滞在した経験を踏まえ、世界各国で起きたことや宿、食事、交通機関、旅費などについて講話した。梓美さんは子どもの頃から抱いた世界一周の夢を実現したことから「小さなことでも挑戦し続ける姿勢を持つことが大切」と説いた。
旅行で使用したバックパックやハンモック、テントといった用具も展示し、生徒たちは25キロほどあるリュックを背負うなどしてイメージを膨らませた。遠藤拓さん(3年)は「この重いバックパックを背負って、世界一周したことに驚いた」と語り、山口海空さん(同)は「自分も夢をかなえるために小さなことから挑戦していきたい」と感想を述べた。
村井さんは、ブラジルやコロンビアで生活していたことから「南米は暑いといった先入観を持たず、世界にはさまざまな地域があり、それぞれの生活があることを知ってほしい」と呼び掛けた。現地の食材や鉄道、貨幣についても伝え、滝心和さん(1年)は「日本以外の国に興味を持てた。今後は他国のことにも目を向けていきたい」と胸を膨らませた。
講演会を企画した石井京子教諭は「実際に旅行に使ったものなどに触れ、強く生徒の印象に残ったはず。視野を世界に対して広げるきっかけとなったようだ」と手応えを感じていた。