おもてなしガイドセンター始動 観光スポットへ案内 旅行者に白老の魅力発信

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  • 2021年10月18日

 白老町の有志が観光振興に一役買おうと立ち上げた「白老おもてなしガイドセンター」が始動した。町のガイド養成講座を受講した町民らが今年春に設立して以降、観光ガイドのコース設定や研修を重ねて今月、実践に乗り出した。旅行者をポロトの森などに案内したメンバーは「豊かな自然などまちの魅力をアピールし、白老のファンを増やしたい」と張り切っている。

 初仕事を迎えた13日、そろいのベストを着込んだメンバー4人は、札幌市から訪れた登山愛好グループ「山峰会」の男女13人をポロト自然休養林へ案内した。参加者を誘導しながら、森の木々やアイヌ民族が利用した植物について解説し、自然度の高い同休養林の魅力を伝えた。散策を楽しんだ同会役員の鍵和田聡さん(72)は「ガイドの詳しい説明で、ポロトの森の素晴らしさがよく理解できた。また機会があれば依頼したい」と話した。

 この日、案内役を務めたのはセンター代表の岩城達己さん(67)、副代表の大橋一夫さん(69)、降矢和好さん(69)、事務局長の松本曜子さん。解説の練習を繰り返し、ルートの安全性も念入りに点検して初ガイドに臨んだ。岩城代表は「私たち自身も楽しみつつ、白老へまた来たいと思ってもらえるように活動していきたい」と意気込んだ。

 メンバーは17日も活動に取り組み、静岡県などからの旅行ツアー客16人を町内の川へ引き連れ、サケの遡上(そじょう)光景を楽しんでもらった。

 センターは、アイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)を核とした観光のまちづくり戦略として町が2019年度と20年度に実施した「おもてなしガイド人材養成講座」の受講者17人が、4月に設立した。白老観光協会に置いたセンター事務局が旅行者の依頼を受けて、メンバーを派遣する仕組みとした。「ポロト自然休養林散策」「サケの遡上ウオッチング」「ヨコスト湿原散策」「街中ガイド」の各コースを設け、観光客にガイドサービスを提供する。21年度は試行期間に位置付けてガイド料を原則無料とし、メンバーも無償ボランティアとして活動。22年度から有料化し、活動に当たるメンバーに還元する考えだ。

 一方、町は、旅行者の滞在型観光を促したり、リピーターを増やしたりするセンターの役割に期待を寄せる。ガイド活動のスキルアップに向けて今月、センターのメンバーも対象にした人材育成講座中級コースを初めて開講。20年度の初級コースを受講した町民ら12人が受講生となり、12月上旬にかけた計6回の実践的フィールドワークなどを通じ、ガイドに必要な知識を身に付ける。17日はポロト自然休養林で実技を行い、案内や説明の技術を高めた。12月上旬には旅行会社に対しガイドサービスを売り込む商談会も予定している。

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