むかわ町の鵡川高校の2年生4人が14日、苫小牧海上保安署で職場体験を行い、海上保安官や巡視船の業務に理解を深め、海上の安全を守る仕事について学んだ。
生徒たちは海上保安業務の説明を受け、留置所などの施設を見学。この後、事件捜査のための鑑識業務となる指紋採取体験などに挑戦した。油流出事故の際に行う油防除の体験では、実際に水をはった容器に重油やラー油を入れ、吸着マットや簡易オイルフェンスを用いて回収したりする作業に取り組んだ。
巡視艇りゅうせい(牧村公明船長)に乗り込み、船内見学や巡視警戒業務も体験。沖の波の高さは約1メートルだったが、操船体験では「すごい」「うわ、やばい」などと声を上げ、かじ取りの難しさを実感。船舶火災などで使う放水銃の操作方法も学び、レバーを操作してどのぐらいの距離まで放水が可能なのかなどを実践した。風を把握し、計算した上で狙い、うまくいったよう。
有馬周平さん(16)は「海は広く、無限の可能性を改めて実感した」と満足げな表情で、「人の命を救う仕事はかっこいいし憧れ。鑑識などを実際に体験できたことで将来の道の一つとして考えるきっかけになった」と笑顔を見せた。
牧村船長(30)は、「(海上保安署は)仲間のピンチをみんなでカバーできる組織。この機会に興味を持ってもらえたら」と話した。