むかわ町の穂別高校(小野達彦校長)はこのほど、町穂別稲里のシュッタの沢の町有地などで、町教育委員会、町穂別博物館と連携し「サイエンス連携事業」を行った。生徒たちが化石の発掘体験などをした。
同校は総合的な探究の時間で地元「穂別」を理解し、その将来を考える授業を展開している。今回の事業もその一つで、穂別最大の観光資源「化石」について学びを深める目的で行った。
穂別博物館の櫻井和彦館長と吉川幸叙さんを講師に迎え、生徒3人がシュッタの沢の町有地で化石の発掘を体験した。安全面を考え、ヘルメット、防護メガネを着用して沢に入った。少しずつ登りながら化石が含まれそうな岩石を探し、金づちで割って確かめる作業を繰り返し、穂別に眠る遠い古代の痕跡を探した。二枚貝の化石の一部を発見した2年生の岩田蒼天(そら)さんは、「化石を見つけたときの感動がすごい。この感動を観光資源として扱えないか」と目を輝かせた。発掘後は穂別博物館で、化石クリーニング(原石から化石をたがねで取り出す作業)を体験し、同館が収蔵する化石を見学した。
今回の事業の生徒リーダー原口竜治さん=3年=は「コロナ禍で大変な中、学びの機会を与えてくれたことに感謝する。大学進学後も穂別の化石の魅力を多くの人に広めていきたい」と語った。引率した理科の武田幸大(ゆきひろ)教諭は「これをきっかけに地元への理解を深め、穂別の将来を担う人材に成長してほしい」と期待した。