秋晴れの下、稲刈り 遠浅小と厚真高で体験授業

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  • 2021年9月28日

 胆振東部で稲刈りシーズンを迎え、地元の小学校や高校は、児童生徒が鎌を使って稲を刈り取る体験授業を活発に行っている。

 安平町の遠浅小学校(吉成透校長)は27日、同町早来新栄の農家、阿部修一さん(61)が所有する田んぼで全校児童の稲刈り体験を行った。

 郷土の産業について理解を深めるとともに、地域住民との触れ合いや力を合わせて働く大切さを学ぶ恒例行事。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、例年5月に行っている田植えは中止したが、阿部さんが代行して約5アールの田んぼにもち米「風の子もち」の稲を植えて育てた。

 この日は、児童42人が上級生と下級生による縦割りのグループをつくり、黄金色に育ったもち米の稲を鎌で刈り取り、束ね、運ぶ―という一通りの作業を共同で行った。秋晴れの空の下、声を掛け合い、作業に励んだ。

 6年生の阿部陽愛さん(12)は「小学校で最後の稲刈りを無事にできてよかった」。同じく藤田玖音君(11)は「農家の大変さを学んだ」と言い、収穫したもち米を「味わって食べたい」と口をそろえた。

 収穫したもち米を使っての餅つき大会はコロナ下により中止するが、餅料理や赤飯にして食べるという。

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 厚真高校(清水美由紀校長)は同日、1年生が厚真町幌内にある高橋農園で稲刈りを体験した。

 町の基幹産業について知り、将来の進路選択に役立ててもらおうと企画。農家のアドバイスを受けながら米作りを体験できる町観光協会主催の事業「田んぼのオーナー」を活用し、5月下旬の田植えから参加している。

 生徒23人は2グループに分かれて計2アール分の稲を刈った。最初は慣れない作業にぎこちなさもあったが、徐々にこつをつかみ、素早くかつ丁寧に刈り取っていった。

 星康太さん(16)は「初めてだったので最初はてこずったが、サポートのおかげで刈り残しも少なく、スピーディーにできて楽しかった」と振り返り、一連の米作り体験を通じて「田植えから稲刈りまでの農家さんの大変さを知り、普段から何気なく食べているご飯を、作っている人に感謝しながら食べたいと思うようになった」と話していた。

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