学校法人日本航空学園(山梨県甲斐市)は千歳市泉沢の日本航空専門学校に2021年4月、4年制の航空工学科を新設するとともに、校名を「日本航空大学校北海道」に変更する。梅沢忠弘学長は「航空・宇宙産業界の要請を受けた。世界で活躍できる人材を育成したい」と熱く語る。梅沢学長に新学科開設の思いを聞いた。
―新設する航空工学科とは。
「航空機などの設計開発に携わる技術者を養成するもので定員は40人。学生は4年間で『3次元CAD(キャド)』の技術を習得。卒業後は設計・開発エンジニアとして航空機や船舶、自動車、精密機器メーカーなどで活躍を想定している。4年制大学と同等の学位「高度専門士」を取得し、大学院への進学が可能になる。卒業後の給与水準も大卒と同等」
―新学科開設に至った経緯は。
「グループ校の日本航空大学校(石川県輪島市)が先行して養成しているが、『人手が足りない』という企業からの要請に応えて開設する。需要が高い航空機や宇宙関連産業、医療機器の開発での即戦力を目指す」
―新型コロナウイルス感染拡大の影響は。
「航空会社は7月から国内線のフライトが回復してきている。貨物便は堅調でグランドハンドリングが多忙。本校の学生の今春の就職率は100%。20年度の進路も好調に推移している。」
―一番の強みは。
「『自由と規律』の人間教育。歴代の学生が地域社会に貢献するボランティア活動。千歳JAL国際マラソンや千歳川流域の河川清掃、独居高齢者宅の除雪に学生たちが率先して参加している。人のために―という気持ちが芽生えた学生が、組織の中でも、グループリーダーとして活躍している」
―入学選考は。
「AOや指定校推薦、学校推薦、自己推薦など多彩。8月22日、9月13日に来場形式のオープンキャンパスを開催する。本校出身の女性が第一線で活躍しており、近年は女子高生からの問い合わせが多い」
日本航空専門学校 1988年に航空従事者養成の専門学校として開学。現在、航空整備科(3年制)、空港技術科(2年制)、国際航空ビジネス科(2年制・3年制)で660人が学ぶ。