日高沿岸で夏の風物詩となっている採りコンブ漁が23日、浦河町東部地区で始まった。浜は久しぶりに活気にあふれ、茶褐色のコンブが干し場一面に広がっている。
日高沿岸の採りコンブ漁の解禁は、浦河町の白泉や月寒から入船などが20日からで、晴天を待って23日から漁を開始した。7月上・中旬から管内各地で本格的な漁の時期に入り、秋まで続く。
日高沿岸のミツイシコンブは煮ると軟らかく、だし以外にも昆布巻きなどの原料にもなっている。昔から天日干しにこだわり、うま味のある「だしとしてよし、食べてよし」のコンブとして全国的に人気がある。
水揚げは減少傾向で、20年ほどでほぼ半減し近年は2000トン台(乾燥出荷量推定)が続く。昨年の管内の出荷量は約2400トン。金額は秋サケを10億円上回る約40億円で漁種別でトップだった。
漁初日の浦河は早朝から青空が広がった。水揚げされたコンブを干し場いっぱいに敷き詰める光景があちこちで見られ、磯の香りがまちに広がった。漁民らは「今年の品質はまずまず。あとは天気次第」と話していた。
コンブは7月後半から8月にかけ実を厚くし、最盛期を迎える。