白老町立国保病院の患者に対する職員の接遇改善を求める声が、町議会や町民から上がっている。24日に開かれた町議会の町立病院改築基本方針調査特別委員会では、一部職員による患者への言動について取り上げられ、「信頼される病院をつくるには、患者に寄り添う姿勢が重要だ」といった議員の指摘もあった。患者離れによる医業収益の落ち込みを避けるためにも、病院側の対策が求められている。
「(病院の一部職員から)こんなこと言われた、そんな言い方ないよね、といった声が患者から聞こえてくる。医療サービスの在り方を職員はしっかりと考えてほしい」。特別委員会で氏家裕治副議長(公明)は、病院に対し職員の接遇改善を強く求めた。
病院職員の接遇に関しては、町議会で過去に何度も取り上げられてきた。だが、今回の氏家副議長の指摘は、患者に選ばれる病院づくりを進めなければ、厳しさが続く経営はいつまでたっても改善しない―との考えからだ。町が現病院を改築し、2025年に想定する新病院の開設を念頭に氏家副議長は「5年後の開設に向けて病院スタッフは患者に寄り添い、信頼関係をつくる体質改善の取り組みを行うべきだ」と迫った。戸田安彦町長は「病院もサービス業という考えの下、対策を進めていく」と約束した。
接遇に関しては町民からも問題視する声が上がる。定期的に通院しているという高齢の女性は「一部職員の言動が患者に不快を与える光景を過去に見た。私も同じような言動、態度に憤りを覚えたこともある」と話した。
病院によると、患者への対応などに関する苦情は年間数十件ほど寄せられている。指摘を受けて改善の研修会を開いてきたが、「これからはより取り組みを強めていきたい」と村上弘光事務長は言う。患者減少に伴う医業収益の落ち込みで赤字経営が続く中、接遇を含めたサービス向上が経営立て直しの重要ポイントになるからだ。
病院は、4月に設置した地域医療連携室に苦情把握と対応の機能を持たせ、改善を図る考えでいる。今年度から25年度までを期間とした経営改善計画では、「患者さんの声に耳を傾け、真摯(しんし)に向き合う職員を育成する」とした患者サービス向上を基本施策の柱に位置付けた。村上事務長は「少しずつ職員の意識改革を図り、地域に信頼される病院を目指していく」としている。