任期満了に伴い、23日に告示された厚真町長選は現職の宮坂尚市朗氏(64)が無投票で4選を決めた。当選から一夜明けた24日午前、町内で4期目に向けた抱負を聞いた。
―当選から一夜明けた今の心境は。
「朝の出陣式からたくさんの方に集まっていただき、大勢の方に沿道から手を振ってもらった。町民の皆さん、被災者の皆さんと心を寄せながら、震災の復旧復興を一緒に歩かせてもらう喜びを改めて感じた」
―4期目に掲げる政策は。
「山ほどあるが、当面は(被災者の)恒久的な住宅対策で年内に落ち着いた環境を整えていくことが最優先。転居に当たってもさまざまな不安があると思う。落ち着いた後の心の変化をしっかりとフォローしなければいけない。その後、大型福祉施設が完成するが、移転も難渋する季節になると思う。民間で建てるサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)もスピード感を持って支援していきたい。自分で住宅を再建する方も含めて全て落ち着いた場所を確保できるので、先に掲げた復興のビジョンを皆さまと共有していきたいと思っている」
―心のケアについて。
「一人ひとりにとって利用できる制度を提案し、フォローしていくことが必要だが、その場面をつくるまでに人間的な関わりを構築できている方のチャンネルを利用して専門性の高い方に介入してもらうことを考えている。自分たちなりの処方箋は作っているが、アプローチが難しいこともある。そこを丁寧に行う」
―震災復興とコロナ禍で「最大の試練」と言ってましたね。
「この峠は険しいものだが、123年の町の歴史で、何もないところから始まった時代やなくなってしまったところから立て直した時代もある。同じ目標を持って立ち上がり、震災で心に病を抱えた方も含め一人も取り残すことなく、この試練をみんなで乗り越えていきたい」