苫小牧市在住のクラリネット奏者、黒岩真美さん(43)による「森のコンサート」が21日、厚真町新町の庭園「VIENTO(ヴィエント)」で開かれた。森の中にクラリネットの美しい音色が響き渡り、町民ら約60人が初夏の自然の中で音楽を満喫した。
苫小牧在住の榎戸克美さん(73)が新型コロナウイルス感染拡大の影響で、活動の場がなくなった音楽家に演奏の機会を提供しようと、自らが所有、管理する町内の土地を利用して屋外コンサートを企画し、黒岩さんに出演を依頼した。
屋外コンサートは初めてという黒岩さんは、民謡「ふるさと」や東日本大震災復興ソング「花は咲く」をはじめ、「情熱大陸」「聖者の行進」などアンコールを含めなじみ深い13曲を演奏。参加者も手拍子などをして楽しんだ。
町内上野から足を運んだ70代の男性は「良いロケーションでこうやって生の演奏を聴く機会はそうない。あっという間で楽しかった」と話した。
黒岩さん自身、聴衆の前では2月末以来の演奏となり、「コロナでなければ、屋外で演奏することはなかったかもしれない。鳥の鳴き声と共演することはなかなかないし、風もなく、最高でしたね」と喜んだ。会場を提供した榎戸さんは「プレーヤーが新しいスタイルで音楽に関わるきっかけになれば。こういった取り組みをつなげていきたい」と話していた。