苫小牧在住の榎戸克美さん(73)が21日、自ら管理する厚真町新町の多彩な花木が映える庭園「VIENTO(ヴィエント)」を使って音楽イベント「森のコンサート」を開催する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、活動の場がなくなった音楽家に演奏の機会を提供しようと企画した。榎戸さんは「これまでと違ったスタイルをギャラリー、プレーヤーともに感じてもらえたら」と期待を寄せる。入場は無料。
もともと廃材置き場になっていた土地を榎戸さんが11年ほど前に譲り受け、草刈りや手入れなどこつこつ庭園造りを進めてきた。フクジュソウやドイツスズラン、カタクリなどの花々、ヨーロッパトチノキ、ノイバラ、シラカバなどを植えて彩り豊かな庭に様変わりさせ、庭園をスペイン語で「風」を意味する「ヴィエント」と名付けた。
今回のコンサートは、コロナ禍によりイベントの中止が相次ぐ中、出演機会を失った音楽家を救済しようと考案した。「どこかで方向転換しなければいけない。支える側として何かできないか」と考えた時に思い付いたのが、屋外での演奏会だった。知人を介して苫小牧在住のクラリネット奏者、黒岩真美さんに依頼したところ、快く引き受けてもらったという。
当日は午後1時30分開演。森の木々に囲まれ、広々とした自然を舞台に黒岩さんの演奏などを届ける。会場は道道平取厚真線の穂別方面に向かう途中、右手の脇道に入って見える大きなミズナラの木が庭園の目印で、午後1時から20分ほど厚真中央小学校グラウンドに案内係も配置する。会場内では3密(密閉、密集、密着)を防ぐため間隔を取って席を確保するほか、手指の消毒も呼び掛ける。雨天の場合は28日に延期する。
榎戸さんは「今回開催することで、プレーヤーたちが一歩を踏み出すきっかけになれば。自然の中で耳を澄ませてくれたら」と話している。
問い合わせは榎戸さん 携帯電話080(6066)0234。