胆振東部消防組合の消防団員や消防士として長年にわたって活躍した関係者の功績をたたえる叙勲、危険業務従事者叙勲伝達式が17日、安平町役場で行われた。2020年春の叙勲で受章した同組合安平消防団元分団長の大塚武さん(70)=追分在住=と、危険業務従事者叙勲で受章した同組合元消防長の藤原一さん(63)=早来大町在住=に胆振東部消防組合管理者の宮坂尚市朗・厚真町長が勲記と勲章を手渡した。
大塚さんは1968年12月に旧追分町消防団員となり、約50年にわたって地域防災や団員の育成指導など、消防体制の確立に寄与した。71年の胆振東部消防組合設立後は班長、部長を歴任し、2012年に分団長に就任。時代に即した知識の習得や地域の実情に合った消防体制の強化促進に努めたほか、誠実な人柄で周りからの信頼も厚かった。18年3月に勇退し、今回の受章について「ただ長い年月務めただけだが、皆さんのおかげで何とかやってこられた」と謝辞を述べた。
藤原さんは1975年に同組合消防署早来支署(現安平支署)消防士を拝命以来、42年にわたって活躍。消防本部企画管理課長、消防本部次長などを経て2014年から定年まで消防長を務めた。
11年3月に発生した東日本大震災においては、宮城県石巻市に緊急消防援助隊北海道隊の救援隊長として出動。再任用で勤務していた18年に胆振東部地震があった際には、救援の受け入れも体験した。「先輩や同僚、後輩、団員の力添えがあって職務を全うできたことに感謝している。これからは、町民として違う方面で町の復興や発展に携わり、励みにしていきたい」と話していた。