2018年9月に発生した胆振東部地震で、自宅を失った人たちが生活する仮設住宅の入居期限が今年の秋から冬に迫る中、厚真、むかわの2町で災害公営住宅、公営住宅に転居する際におけるそれぞれの支援策を打ち出した。
厚真町は、仮設住宅から災害公営住宅、公営住宅に入居する際の敷金などに掛かる負担を減らすため、一律30万円を支給する決断に踏み切った。給付額は、災害公営住宅の低い金額の家賃を基準に算出。宮坂尚市朗町長は「減免ではなく、給付の措置を取り、敷金、家賃の軽減を図る。敷金は3年間の分納も可能」と11日に開かれた町議会定例会で説明。引っ越しについては、町が業者と契約して直営で行うという。
むかわ町は、独自に全壊世帯に家賃の2割、大規模半壊・半壊世帯に1割をそれぞれ5年間減免する措置を決定。対象は、仮設住宅から現在建設中の末広団地C棟(災害公営住宅8戸を含む18戸)と、小規模改良住宅、地域優良賃貸住宅を合わせた文京ハイツ(12戸)に加え、既存の公営住宅に入居を希望する住民とした。町建設水道課は予算として50世帯分で1260万円ほどを見込んでいる。引っ越し費用としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響でボランティアの手配が難しいことから、一律8万5000円を手当てする方針だ。
同町は、昨年策定した復興計画でも示すように来年度からの5年間を「復興展開期」「創生期」と位置付ける。竹中喜之町長は「被災者の一日も早い生活再建の後押しとなるように進めていきたい」と話している。
安平町では、賃貸住宅への転居について1カ月当たりの家賃(1人の場合、上限7万円)、引っ越しには上限10万円、それぞれ支援する取り組みをすでに実施している。