新ひだかアイヌ協会 イチャルパとアイヌ文化交流会 先祖の霊を供養

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年6月9日

 特定非営利活動法人新ひだかアイヌ協会(大川勝会長)主催の第32回イチャルパ(先祖供養)とアイヌ文化交流会が7日、新ひだか町静内真歌のチセ(伝統民家)で開かれ、静内霊園の無縁佛納骨堂に眠る先祖の霊を慰めた。

 静内地区では1989年度から99年度にかけて町や道、北海道アイヌ協会の協力や事業支援で、同地区の10の共同墓地に散在し荒廃していたアイヌ系住民の無縁墓地の改葬事業が実施された。2695体を静内霊園内の2棟の無縁佛納骨堂に安置している。

 イチャルパは、これら先祖を伝統的な儀式で供養する催しとして毎年実施。復元したアイヌ住居のチセと敷地内で開かれたイチャルパには、大川会長ら協会役員と関係者、大野克之町長、福嶋尚人町議会議長、山岡達丸衆院議員、金岩武吉道議会議員ら来賓を含めて約50人が出席した。

 菅原勝吉さんを祭司、平村博さんを副祭司に、神酒を神にささげるカムイノミやチセ横のヌサ(祭壇)前でヌサオンカミ(礼拝)を行い、焼いたサケなどアイヌ料理の試食会が開かれた後、供物をヌサ前にささげるイチャルパで先祖を供養した。

 文化交流では、新冠民族文化保存会と静内民族文化保存会の会員が、その地に伝わるアイヌの収穫を祝う古式舞踊などを披露した。

 この日は、新型コロナウイルス感染予防対策で、例年4時間かけて行う儀式を2時間に短縮し、参加者も約半分の人数で行われた。

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