昭和の中頃から平成の初期にかけて国内で製造、販売された機械、電子式のフィルムカメラ、コンパクトカメラなどをそろえた「クラシックカメラ展示会」が、むかわ町四季の館内にある「まなびランド図書室」で開かれている。現在のデジタルカメラが普及する1990年代以前を、カメラを通じて伝える貴重な財産だ。
展示しているのは、スプリングカメラと呼ばれる「ミノルタセミP」(51年)や小型二眼レフの「プリモジュニア」(58年)、一眼レフ「ミノルタSR―T101」(66年)をはじめ、50~90年代に主流となっていた一眼レフやコンパクトカメラ、デジタルカメラなど13点。
かつて旧鵡川町にも縁があり、現在登別市文化協会の顧問を務める小林正明氏から寄贈を受けた。併せてカメラの歴史や知識などが分かるカメラ関連の書籍も20冊ほど用意している。
展示会を主催する町教育委員会の田代雄介学芸員は「昭和の20、30年代に町工場で造られたいろいろな企業の創業期のものだろう。その後、力や技術を付けてカメラの歴史をつくってきた」と説明。「今ではスマートフォンで気軽に撮れる時代だが、半世紀前はこんなに重たい機械を使っていたということを、特に子どもたちに知ってもらいたい。高齢の人たちには当時を懐かしんで家庭の話題にしてくれたら」と話している。
展示会は当初、ゴールデンウイーク期間中の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言発令により延期になっていた。展示会の期間は28日まで(月曜、図書室の閉室日を除く)。時間帯は午後1時から閉室まで。