ウポポイ効果で159万6800人 白老 19年度観光入り込み客数 4年ぶり前年上回る

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年5月30日

 白老町の2019年度の観光入り込み客数は159万6871人で、18年度比約9万1000人増となり、4年ぶりに前年度を上回った。今年開業予定の民族共生象徴空間(ウポポイ)のPR効果で白老の知名度が向上したことや、イベント来場者の伸びなどが入り込み増につながった―と町は分析している。

 宿泊客は10万2026人で、前年度比1万7660人増(20・9%増)となり、11年ぶりに10万人を超えた。日帰り客は149万4845人で、同7万3807人増(5・2%増)となった。宿泊、日帰りを合わせた入り込み客数は前年度に比べ9万1467人増(6・1%増)で15年度以降4年ぶりに前年度を上回り、近年の下落傾向にブレーキがかかった。

 地区別の入り込み客数は、虎杖浜温泉地区が93万4170人で、前年度比2万7646人増(3・0%増)。白老地区は66万2701人で、同6万3821人増(10・7%増)と、両地区とも伸びた。天候に恵まれた「虎杖浜かに・たらこ・温泉三大まつり」や「しらおい港まつり」など主要イベントの来場者増、「浜フェス」と銘打った虎杖浜での新イベント展開、白老中心部での宿泊施設や飲食店の新規開業、ウポポイPRによる白老の知名度向上に伴う個人旅行者の増加などが観光入り込みを押し上げた―と町はみている。

 町経済振興課の担当者は「新型コロナウイルスの影響で今年2月以降の観光客は急減したものの、ウポポイPR効果などで全体的に伸びた。中でもアイヌ文化体験・ツーリズムの参加者は前年度の約3倍増となったことは特筆すべきことだ」と話す。

 一方、外国人観光客の宿泊客は9204人で、前年度に比べ2611人減と20%以上落ち込んだ。宿泊客数は18年度まで伸びていたものの、一転してダウン。日韓関係の悪化や香港の情勢不安、新型コロナ感染拡大の影響が背景にあるとみられる。特にウイルス感染拡大が深刻化した2月以降、激減した。白老へ観光に訪れた外国人の主な国籍と人数は中国2906人、韓国1467人、香港984人、台湾745人など。

 20年度は新型コロナの影響で、6月の「白老牛肉まつり」などイベントの中止決定が相次ぎ、入り込みを押し上げていた訪日外国人の観光需要の回復も当面期待できない中、町の担当者は「今年度は厳しい状況が続くのではないか」と話す。

近年の白老町観光入り込み客数の推移

 14年度 179万2032人

 15年度 181万4511人

 16年度 176万6682人

 17年度 173万5570人

 18年度 150万5404人

 19年度 159万6871人

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